2007年 01月 24日
ドラマ:大河ドラマ「新選組!」第2回 多摩の誇りとは(再放送) |
このドラマを書く上で三谷氏は、まず、「1話で1日を描く」ことを自ら課したんですよね。
そのため、近藤勇と新選組の人生の、ある49日分を切り取ってドラマにしたわけですが、今までの大河にありがちな、紙芝居や絵巻物語のように歴史をたどるだけの描写は一切省くことによって、濃密な人間ドラマに仕上がることになったわけです。
反面、数多く伝言されている新選組の逸話はもとより、怒濤のような時代に起きた数多くの大きな歴史的事件も、三谷氏が泣く泣く切らざるをえなかったのですが、これは本来の新選組ファンや歴史ファンをかなり落胆させたらしいデス。。。
それからもう一つ、「ナレーションを一切なくす」と課したことも効果絶大でした。
ナレーションが入ると、分かりやすい反面、どうしても事実を一歩引いたところから眺めるようになってしまうんだけど、「新選組!」は、セリフや動きや背景で説明するので、ドラマの流れをとぎれさせることなく、視聴者は、出演者とともにこの時代を生きているような錯覚さえ覚えるのですよネ。
さて、第2回目は、第1回の黒船騒ぎから3年半たった1857年(安政4)のある日の話。
かっちゃんは24歳、トシは23歳。
★永倉新八(山口智充)、登場。19歳。あり得ない(笑)。でも、視聴者の激しいツッコミを、かっちゃんとトシに言わせてしまうことで視聴者を納得させて、うまく笑いにもっていくやり方。
★原田佐之助(山本太郎)も登場。すでに大食漢。「好きなオナゴは小柄でおちゃめ」とな。ナルホド。
★中村獅堂扮する滝本捨助。まさに「いけ好かない」ヤツなのですが、なぜか、彼を最後には大好きになってしまう。。。これも三谷マジック。ところで・・・このころ獅堂さん、彼女と付き合ってたんでしょうかねえ。。耕史くんが飲み会に誘っても、なかなか来なかったとか(笑)
★歳三の長兄・為次郎は盲目でしたので、家督はすぐ下の弟に譲ったのですが、風流でなかなかの洒落者であり、もし健常者であれば、立派な人物になっただろうと言われていたそうです。年の離れた末弟をとても可愛がっていたそうで、歳三には為次郎の気質が受け継がれました。この為次郎を演じるのは、ドラマ「新選組血風録」と「燃えよ剣」で土方歳三を演じた栗塚旭氏です。オールド時代劇ファンにとっては、土方歳三といえばこの人なわけです。でも、それは山本耕史の出現で一新されてしまいましたが。。とにもかくにも、栗塚旭氏をオマージュとして出演させたのはキャスティングの妙!栗塚氏も、オールド時代劇ファンも嬉しかったことでしょうね。
★土方は、まだこのころは剣が我流でヘタだという演出だと思われます。
★NHKの衣装スタッフの、特に着物のセンスは大好きです。
特に女性陣の、江戸後期のころの江戸の娘たちの着物や、京都に渡ってからの洗練された着物。どれもステキです。
★歳三の義理の兄の佐藤彦五郎(小日向文世)と、勇と義兄弟の杯をかわした小島鹿之助(小野武彦)は、後に新選組を金銭的にバックアップしていく強力な後援者となります。
個人的には、佐藤彦五郎は、もう少し勇ましい村の有力者として演出してほしかったのですが、この後の展開で、それはどうでもいいことになりました(笑)。小日向さん、いいねぇ~。
★おみつ(沢口靖子)の存在は、放映当時「ウザイ」と言われてました(笑)。確かに、沖田総司の姉はいましたが、こんなすっ飛んだキャラはどうかと私も思いましたが、彼女の存在も後に清涼剤のような効果を出していくことになります。旦那の世話もせずに何をやってるんじゃ~というツッコミは、まあこの際引っ込めてと(笑)。
★「トシ、良かったら、うちの道場に来ないか~!」
「・・・・考えておく。」
キラキラ輝いて、純粋無垢な二人の若者。
今観ると、ちょっと涙が出てきてしまいます。
特に第2回はそうですが、10回あたりまでの多摩編は、牧歌的なのんびりした背景で、かっちゃんもトシも、日本国全体の激動の大きなうねりとは別の、もっと個人的な悩みにうつつを抜かしています。
そのため、04年当時、ファンからも「まったりした感じで、新選組らしくない」という反感の声が上がり、第3回あたりから視聴率がガクッと落ち始めました。
ところが後半になって、新選組が時代の流れに直接のみこまれ始める辺りから、この牧歌的でのんびりしてキラキラ輝いていたころの「かっちゃんとトシ」を妙に懐かしく、愛おしく思うという不思議な現象が起き始めマス。
また同時に、多摩編でまき散らした数々の伏線が、後半になって花を咲かせ、視聴者はあれよあれよという間に、三谷ワールドのドツボにハマッていくという現象も(笑)
批判の波にさらされた多摩編を、三谷氏がなぜ辛抱強く書き続けたのか。その意味を、全49話を観終わって初めて気が付くことになるのですが、
多摩編の何かに惹かれながら見続けた視聴者や、三谷氏をひたすら信じて見続けた視聴者は最後にニヤリとほくそ笑み(私だけかも・笑)、
多摩編を挫折したけど、気になって後半から再び見始めた視聴者は悔しがるという・・・
そんなファンのやり取りも、当時の掲示板やブログなどに現れて興味深かったです。
そのため、近藤勇と新選組の人生の、ある49日分を切り取ってドラマにしたわけですが、今までの大河にありがちな、紙芝居や絵巻物語のように歴史をたどるだけの描写は一切省くことによって、濃密な人間ドラマに仕上がることになったわけです。
反面、数多く伝言されている新選組の逸話はもとより、怒濤のような時代に起きた数多くの大きな歴史的事件も、三谷氏が泣く泣く切らざるをえなかったのですが、これは本来の新選組ファンや歴史ファンをかなり落胆させたらしいデス。。。
それからもう一つ、「ナレーションを一切なくす」と課したことも効果絶大でした。
ナレーションが入ると、分かりやすい反面、どうしても事実を一歩引いたところから眺めるようになってしまうんだけど、「新選組!」は、セリフや動きや背景で説明するので、ドラマの流れをとぎれさせることなく、視聴者は、出演者とともにこの時代を生きているような錯覚さえ覚えるのですよネ。
さて、第2回目は、第1回の黒船騒ぎから3年半たった1857年(安政4)のある日の話。
かっちゃんは24歳、トシは23歳。
★永倉新八(山口智充)、登場。19歳。あり得ない(笑)。でも、視聴者の激しいツッコミを、かっちゃんとトシに言わせてしまうことで視聴者を納得させて、うまく笑いにもっていくやり方。
★原田佐之助(山本太郎)も登場。すでに大食漢。「好きなオナゴは小柄でおちゃめ」とな。ナルホド。
★中村獅堂扮する滝本捨助。まさに「いけ好かない」ヤツなのですが、なぜか、彼を最後には大好きになってしまう。。。これも三谷マジック。ところで・・・このころ獅堂さん、彼女と付き合ってたんでしょうかねえ。。耕史くんが飲み会に誘っても、なかなか来なかったとか(笑)
★歳三の長兄・為次郎は盲目でしたので、家督はすぐ下の弟に譲ったのですが、風流でなかなかの洒落者であり、もし健常者であれば、立派な人物になっただろうと言われていたそうです。年の離れた末弟をとても可愛がっていたそうで、歳三には為次郎の気質が受け継がれました。この為次郎を演じるのは、ドラマ「新選組血風録」と「燃えよ剣」で土方歳三を演じた栗塚旭氏です。オールド時代劇ファンにとっては、土方歳三といえばこの人なわけです。でも、それは山本耕史の出現で一新されてしまいましたが。。とにもかくにも、栗塚旭氏をオマージュとして出演させたのはキャスティングの妙!栗塚氏も、オールド時代劇ファンも嬉しかったことでしょうね。
★土方は、まだこのころは剣が我流でヘタだという演出だと思われます。
★NHKの衣装スタッフの、特に着物のセンスは大好きです。
特に女性陣の、江戸後期のころの江戸の娘たちの着物や、京都に渡ってからの洗練された着物。どれもステキです。
★歳三の義理の兄の佐藤彦五郎(小日向文世)と、勇と義兄弟の杯をかわした小島鹿之助(小野武彦)は、後に新選組を金銭的にバックアップしていく強力な後援者となります。
個人的には、佐藤彦五郎は、もう少し勇ましい村の有力者として演出してほしかったのですが、この後の展開で、それはどうでもいいことになりました(笑)。小日向さん、いいねぇ~。
★おみつ(沢口靖子)の存在は、放映当時「ウザイ」と言われてました(笑)。確かに、沖田総司の姉はいましたが、こんなすっ飛んだキャラはどうかと私も思いましたが、彼女の存在も後に清涼剤のような効果を出していくことになります。旦那の世話もせずに何をやってるんじゃ~というツッコミは、まあこの際引っ込めてと(笑)。
★「トシ、良かったら、うちの道場に来ないか~!」
「・・・・考えておく。」
キラキラ輝いて、純粋無垢な二人の若者。
今観ると、ちょっと涙が出てきてしまいます。
特に第2回はそうですが、10回あたりまでの多摩編は、牧歌的なのんびりした背景で、かっちゃんもトシも、日本国全体の激動の大きなうねりとは別の、もっと個人的な悩みにうつつを抜かしています。
そのため、04年当時、ファンからも「まったりした感じで、新選組らしくない」という反感の声が上がり、第3回あたりから視聴率がガクッと落ち始めました。
ところが後半になって、新選組が時代の流れに直接のみこまれ始める辺りから、この牧歌的でのんびりしてキラキラ輝いていたころの「かっちゃんとトシ」を妙に懐かしく、愛おしく思うという不思議な現象が起き始めマス。
また同時に、多摩編でまき散らした数々の伏線が、後半になって花を咲かせ、視聴者はあれよあれよという間に、三谷ワールドのドツボにハマッていくという現象も(笑)
批判の波にさらされた多摩編を、三谷氏がなぜ辛抱強く書き続けたのか。その意味を、全49話を観終わって初めて気が付くことになるのですが、
多摩編の何かに惹かれながら見続けた視聴者や、三谷氏をひたすら信じて見続けた視聴者は最後にニヤリとほくそ笑み(私だけかも・笑)、
多摩編を挫折したけど、気になって後半から再び見始めた視聴者は悔しがるという・・・
そんなファンのやり取りも、当時の掲示板やブログなどに現れて興味深かったです。
by nekodeko_51
| 2007-01-24 23:49
| 時代劇&大河