2008年 03月 29日
『ちりとてちん』面白かった~! |
めでたく終わった『ちりとてちん』
毎日見るのは難しかったので、土曜日にBSでまとめて見ることが多かったんだけど
私にとって、ここ、最近の朝ドラの中では、ダントツに面白かった!
『芋たこなんきん』を第一話目に見たときも、確か、そんなことを書いたんだけど
途中で、過去を振り返るために再現シーンが続く週が続いて
ちょっと萎えてしまったのが正直なところ(泣)
でも、今回はそういうこともなく、最後まで楽しく見続けることができた。
で、この『ちりとてちん』のどこがよかったかというと
今までの朝ドラ主人公には絶対にあり得ないほど
貫地谷しほりちゃん演じる主役のB子が(ホントは喜代美という立派な名前があるけど^^)
もう、めちゃくちゃな「後ろ向き」思考で、コンプレックスのカタマリのような性格(爆)!
これに尽きる!
で、マイナス思考の妄想癖があって(爆)、
その上、あえて妄想通りに、自分をどん底につき落とす(笑)
これがもう、まさに同類人間の自分とぴったりリンクしちゃったのだ
実は、自分の学生時代の親友(と呼べたのかどうか)が
佐藤めぐみちゃん演じるA子にシチュエーションがそっくりで、
そういう彼女と仲が良かった自分は、いつも心に葛藤があって
彼女に対する言動と、心の中でつぶやく「ツッコミ」とは微妙にずれていたのである。
あー、めちゃくちゃ息苦しい日々だったなあ。あのころの自分。
まあ、そんなこんなで、ドラマから目が離せなくなってしまったのである。
しかし、こういう人間のマイナスな姿をこうもあからさまに再現されると
逆に苛つく視聴者もいるらしい。(だから視聴率はそんなに上がらなかったのかも)
うちのダンナなんかは、まさにそのタイプ。
「見ていると、ムカついてくる!」と、ずっと言い続けていた。
まあ、彼としては、実際の生活で
B子の写し鏡のようなドジでアホな女をものすごく身近に見続けているわけで(笑)
テレビドラマぐらいは、身も心も美しい人間を求めるのかもしれんが(笑)
ところで、このドラマの面白いところは
主人公だけじゃなく、周りの脇役たちも、みーんなコンプレックスの塊の持ち主だってことを
しっかりと、かつサラリと描いているところ。
これがまた、
「ああ~~~、こういうシチュエーションとか気持ちって、あるある!」
と、いちいち、私の心にヒットするのである
この辺りのキャラづくり、設定づくりは『新選組!』とちょっと似ている気がするなぁ
で、さらに好きなところは、
そういうコンプレックスの種明かしをするような泣けるシーンや哀しいシーンでも
必ず、誰かの鋭い「ツッコミ」が入って、ついついニヤリとしてしまうところ。
私のような「ボケ」の人間にとっては
「ツッコミ」を入れてくれる人間というのは、とても有り難い存在なのである(笑)
だからこそ、こういう悲劇を悲劇のやりっ放しにならない演出というのは
逆にすごくリアルに感じるし、すごく安心もするんだよね。
そして、このボケとツッコミのパターンは最後まで、嫌みなく、しっかり実を結んでいて
実はとっても緻密な計算が働いてるドラマなんだなと感じたわけで。
それから、やはり面白かったのは
さまざまなシーンで挟まれた、ドラマ登場人物が演じる上方落語の再現ドラマ。
そして、昨日、最終回の後に放送された特番で初めて知ったことだが
再現ドラマ以外にも
普通のドラマシーンやセリフの中に、上方落語のネタがいっぱい隠されていたんだとか!
私は上方落語は全く無知だったので少しも気付かなかったけど
知ってる人は、それこそ本当に楽しめたんだろうなあ~
あとは、やはり役者さんたちのうまさ!
主人公の貫地谷しほりちゃんはもちろん、ベテラン役者もみんなヨカッタ!
一人だけ、川平慈英さんのキャスティングには途中まで納得がいかなかったのだけど
彼の過去を追うシーンで、おお~~なるほどと~!ちゃんと計算尽くだったのね。
そして、何より民放ドラマで汚れきっていない若い俳優さんたちがみんなヨカッタ。
徒然亭一門の弟子たち4人を始め
B子の弟くんに、親友の順子ちゃん、A子の兄の友春くん・・・
みんな、ベテラン俳優に負けずにいい味を出してたなあ。
NHKって、ホント、こういう役者さんたちを採用するのがうまいのだ。
そして、NHKで人気が出たとたんに、ハイエナのようにたかるのが民放(笑)
かつて福士くんなんかもそうだし。
私が特にお気に入りだったのが、四草役の加藤虎ノ介さん。
この人、これから民放で引っ張りだこでしょうねぇ。悪役できるし。
時代劇好きな自分としては
彼はそんなに背が高くないし、現代ものより時代劇もので
個性ある脇役として、きっと光ると思うんだけどな。
あ、あと、俳優さんが着ている着物がどれもステキだった~♪
まずはB子が落語の練習で着てた、ひまわり風の浴衣に格子の半幅帯が可愛かったし
最初の高座に上がるときの、ピンクの細い縞小紋に、水色の帯。
この帯、よーく見ると、いろんなポーズのカッパが散りばめられていてキュートだった。
それから、後半の高座で締めていた帯は
なんと、ダックスフンドが何層にも重なっている帯。これはイヌ好きにはたまらんでしょ。
最後のほうは、年齢が上がったということで、高座での着物もぐっと落ち着いた感じに。
でも、B子の雰囲気を醸し出すオレンジの長羽織やイエローの着物が
このドラマ全体を表しているようで、とっても清々しい気分に。
あと、男性陣の着物。
落語家が高座で羽織を脱ぐのは、一種の決まり事なわけだけど
あのときにチラリと見える羽織の裏地。
あれが、それぞれの個性を表していて、とっても面白かった。
そして、粋というしかない祖母・小春役を演じた江波杏子さんの着物姿。
この方は、どのドラマでも、ぐぐっと衣紋をいっぱい抜いているんだけど
それが、もう本当にカッコイイ。
オトナならではの素敵な着物もいっぱい見せていただいた。
あ、結局、着物の話で締めくくってしまった(汗)
でも、着物に興味が広がったおかげで
ドラマひとつでも、ぐぐっと楽しみ方も広がった感じ。
さーて、次の朝ドラですが・・・
また、元の「明るく前向きで、困難に打ち勝つ」ような素晴らしい主人公(苦笑)なんだろうか。
うーん。『ちりとてちん』を見てしまった自分は
もう、こういう類の主人公に心を寄せることはない気がするなぁ(苦笑)
毎日見るのは難しかったので、土曜日にBSでまとめて見ることが多かったんだけど
私にとって、ここ、最近の朝ドラの中では、ダントツに面白かった!
『芋たこなんきん』を第一話目に見たときも、確か、そんなことを書いたんだけど
途中で、過去を振り返るために再現シーンが続く週が続いて
ちょっと萎えてしまったのが正直なところ(泣)
でも、今回はそういうこともなく、最後まで楽しく見続けることができた。
で、この『ちりとてちん』のどこがよかったかというと
今までの朝ドラ主人公には絶対にあり得ないほど
貫地谷しほりちゃん演じる主役のB子が(ホントは喜代美という立派な名前があるけど^^)
もう、めちゃくちゃな「後ろ向き」思考で、コンプレックスのカタマリのような性格(爆)!
これに尽きる!
で、マイナス思考の妄想癖があって(爆)、
その上、あえて妄想通りに、自分をどん底につき落とす(笑)
これがもう、まさに同類人間の自分とぴったりリンクしちゃったのだ
実は、自分の学生時代の親友(と呼べたのかどうか)が
佐藤めぐみちゃん演じるA子にシチュエーションがそっくりで、
そういう彼女と仲が良かった自分は、いつも心に葛藤があって
彼女に対する言動と、心の中でつぶやく「ツッコミ」とは微妙にずれていたのである。
あー、めちゃくちゃ息苦しい日々だったなあ。あのころの自分。
まあ、そんなこんなで、ドラマから目が離せなくなってしまったのである。
しかし、こういう人間のマイナスな姿をこうもあからさまに再現されると
逆に苛つく視聴者もいるらしい。(だから視聴率はそんなに上がらなかったのかも)
うちのダンナなんかは、まさにそのタイプ。
「見ていると、ムカついてくる!」と、ずっと言い続けていた。
まあ、彼としては、実際の生活で
B子の写し鏡のようなドジでアホな女をものすごく身近に見続けているわけで(笑)
テレビドラマぐらいは、身も心も美しい人間を求めるのかもしれんが(笑)
ところで、このドラマの面白いところは
主人公だけじゃなく、周りの脇役たちも、みーんなコンプレックスの塊の持ち主だってことを
しっかりと、かつサラリと描いているところ。
これがまた、
「ああ~~~、こういうシチュエーションとか気持ちって、あるある!」
と、いちいち、私の心にヒットするのである
この辺りのキャラづくり、設定づくりは『新選組!』とちょっと似ている気がするなぁ
で、さらに好きなところは、
そういうコンプレックスの種明かしをするような泣けるシーンや哀しいシーンでも
必ず、誰かの鋭い「ツッコミ」が入って、ついついニヤリとしてしまうところ。
私のような「ボケ」の人間にとっては
「ツッコミ」を入れてくれる人間というのは、とても有り難い存在なのである(笑)
だからこそ、こういう悲劇を悲劇のやりっ放しにならない演出というのは
逆にすごくリアルに感じるし、すごく安心もするんだよね。
そして、このボケとツッコミのパターンは最後まで、嫌みなく、しっかり実を結んでいて
実はとっても緻密な計算が働いてるドラマなんだなと感じたわけで。
それから、やはり面白かったのは
さまざまなシーンで挟まれた、ドラマ登場人物が演じる上方落語の再現ドラマ。
そして、昨日、最終回の後に放送された特番で初めて知ったことだが
再現ドラマ以外にも
普通のドラマシーンやセリフの中に、上方落語のネタがいっぱい隠されていたんだとか!
私は上方落語は全く無知だったので少しも気付かなかったけど
知ってる人は、それこそ本当に楽しめたんだろうなあ~
あとは、やはり役者さんたちのうまさ!
主人公の貫地谷しほりちゃんはもちろん、ベテラン役者もみんなヨカッタ!
一人だけ、川平慈英さんのキャスティングには途中まで納得がいかなかったのだけど
彼の過去を追うシーンで、おお~~なるほどと~!ちゃんと計算尽くだったのね。
そして、何より民放ドラマで汚れきっていない若い俳優さんたちがみんなヨカッタ。
徒然亭一門の弟子たち4人を始め
B子の弟くんに、親友の順子ちゃん、A子の兄の友春くん・・・
みんな、ベテラン俳優に負けずにいい味を出してたなあ。
NHKって、ホント、こういう役者さんたちを採用するのがうまいのだ。
そして、NHKで人気が出たとたんに、ハイエナのようにたかるのが民放(笑)
かつて福士くんなんかもそうだし。
私が特にお気に入りだったのが、四草役の加藤虎ノ介さん。
この人、これから民放で引っ張りだこでしょうねぇ。悪役できるし。
時代劇好きな自分としては
彼はそんなに背が高くないし、現代ものより時代劇もので
個性ある脇役として、きっと光ると思うんだけどな。
あ、あと、俳優さんが着ている着物がどれもステキだった~♪
まずはB子が落語の練習で着てた、ひまわり風の浴衣に格子の半幅帯が可愛かったし
最初の高座に上がるときの、ピンクの細い縞小紋に、水色の帯。
この帯、よーく見ると、いろんなポーズのカッパが散りばめられていてキュートだった。
それから、後半の高座で締めていた帯は
なんと、ダックスフンドが何層にも重なっている帯。これはイヌ好きにはたまらんでしょ。
最後のほうは、年齢が上がったということで、高座での着物もぐっと落ち着いた感じに。
でも、B子の雰囲気を醸し出すオレンジの長羽織やイエローの着物が
このドラマ全体を表しているようで、とっても清々しい気分に。
あと、男性陣の着物。
落語家が高座で羽織を脱ぐのは、一種の決まり事なわけだけど
あのときにチラリと見える羽織の裏地。
あれが、それぞれの個性を表していて、とっても面白かった。
そして、粋というしかない祖母・小春役を演じた江波杏子さんの着物姿。
この方は、どのドラマでも、ぐぐっと衣紋をいっぱい抜いているんだけど
それが、もう本当にカッコイイ。
オトナならではの素敵な着物もいっぱい見せていただいた。
あ、結局、着物の話で締めくくってしまった(汗)
でも、着物に興味が広がったおかげで
ドラマひとつでも、ぐぐっと楽しみ方も広がった感じ。
さーて、次の朝ドラですが・・・
また、元の「明るく前向きで、困難に打ち勝つ」ような素晴らしい主人公(苦笑)なんだろうか。
うーん。『ちりとてちん』を見てしまった自分は
もう、こういう類の主人公に心を寄せることはない気がするなぁ(苦笑)
by nekodeko_51
| 2008-03-29 23:35
| 一般ドラマ&テレビ