NHK大河ドラマ「新選組!」第24話 避けては通れぬ道(再放送) |
時間があるときにうめていきたいと思います。
さて今回は、私の「新選組!」ベスト5に入る名作の回。「避けては通れぬ道」。
次回の芹沢鴨暗殺に至るまでの、もうゾクゾクするような
三谷さん真骨頂の作品です。
あえて言うなら、先を知らずに観たかったなあ。
それくらい、大河ドラマを超えて「京都幕末ミステリー」とでも呼びたくなるような回です。
壬生浪士組の未来にとって、芹沢鴨の悪しき行いや存在がいよいよ邪魔になってきた。
土方歳三と山南の頭脳派2人は、芹沢を追いつめるためには、まず、芹沢派の頭脳である新見錦を消す必要があると感じ、さまざまな仕掛けをするー
その一つが「局中法度」の制定。
山南「志を通すには 避けては通れぬ道」
土方「たまには意見が合うんだな・・・」
性格も生まれや育ちも全く違う2人。お互いに反発するところはあれど
彼らの知恵が合致したときこそ本当に強い新選組が生まれた瞬間であったのかもしれない。
京都の妖しさと、渦巻く人間の情念を表わすような音楽。
それぞれの感情がねじれ、絡んでいきながら、次の回の「新選組」誕生へと昇華していくサマはため息が出ます。
「オレは喜んで修羅の道をゆく」
白くて綺麗なお肌に、まるで隈取りのような目の下の赤み。三白眼。
まるで歌舞伎役者のよう。
「私はどこまでも近藤さんについていく」
「避けては通れぬ」と自ら言いつつも、心に迷いを持った哀愁ある堺さんの演技に心を打たれっぱなしでした。
ストーリーや演出も秀逸ながら、やはり今回の主役は土方役の山本耕史さんと、山南役の堺雅人さん。
暗い部屋に浮かぶ彼らの美しい顔。
陰影のある堺さんの瞳と、ギラギラとマグマが燃えたぎるような山本さんの眼差し。
彼らには時代劇がとても似合う!と思う。
ただ今、山本さんは「華麗なる一族」の銀平役。堺さんは「ヒミツの花園」の航役で活躍中ですが、残念ながら作品自体はどちらも消化不良気味。
ファンとしてはとても残念に思います。。
山本耕史と堺雅人という2人の俳優の魅力を最大限に発揮した「新選組!」は、
作品や登場人物だけではなく、個々の俳優にも深い愛情を注いで「あて書き」をする三谷さんだからこそ生まれたものでしょうね。