荒井由美:「翳りゆく部屋」 |
あなたは 夕陽見てた
なげやりな別れの気配を
横顔に ただよわせ
二人の言葉はあてもなく
過ぎた日々をさまよう
振り向けば ドアのすき間から
宵闇が しのび込む
どんな運命が
愛を遠ざけたの
輝きは戻らない
私が死んでも
ユーミンが荒井由美時代に書いた名曲ですね。
そして、わたしにとっても忘れられない曲なんです。
この曲を最初に聴いたのは
小学5年生のとき。
両親が離婚して、新しい継母を迎えたのですが
私たち姉妹は、彼女とは気が合いませんでした。
妹など、よく激しく殴られては、外に出されたものです。
そのとき、私の家族は
小さなアパートの2階の部屋を借りていて、
階下は、大家さんの家でした。
その大家さんには、高校生ぐらいのお嬢さんと、
同じく高校生の弟くんの
二人の子供がいて、
よく大きな音でレコードをかけていました。
特にこの曲は何回も何回も
繰り返し流してましたから、
きっとお気に入りだったんでしょうね。
で、
そのアパートは
町田と横浜の境にある丘陵の高台に建っていて
西向きだったうちからは
奈良北団地越しに
夕焼けが、ほんとにきれいに見えたのを
今でも鮮明に覚えています。
その夕焼けを背景に
「翳りゆく部屋」
が何回も流れる。
歌詞の意味は分からずとも
子供ながらになぜか、
心の琴線に触れて
涙があふれてきたものです・・・
今、思うと
あのころのほうが
ずっと、いろんなことを我慢して
ずっと大人だったような気がします。